物心ついた時から、私は大きいサイズでした。
今だったら大きいサイズも豊富で、体型に関係無く、おしゃれを楽しめますが、当時は、種類があまり無かったように思います。
そもそも大きなサイズの服を販売している店舗がほとんどなかったのです。
成人式の時も、私はレディススーツを着用しました。
着物を着ると、人より大きくなり過ぎると思ったからです。案の定、回りは全員着物でした。
しかし、不思議な事に、他の人を羨む事無く、落ち着いて式に出席出来ました。現にそれから、そのレディススーツの出番はかなりあり、とても重宝しました。
２０代にもなると、結婚式の出席が増え、他のスーツも選び購入しました。レディススーツを着ると、普段着とは違う自分がそこに現れ、変身出来たように思うのです。
その頃になると、大きいサイズの店も見つかり、常連のように、足繁く通いました。後にも先にも、私が一番おしゃれを楽しみ、自分に投資していた時期でした。
大きなサイズにも関わらず、おしゃれなものや流行名ものもあり、非常に嬉しかったことを覚えております。
月日が立ち、今や私の二人の娘が、トールサイズを着こなします。
私自身の服を購入する機会は、めっきり減りましたが、その分、娘達が購入し、その着こなしを見るのが大好きです。中でも、スーツ姿は格別な思いで見ています。今の私は、体型も変わる事なく、何年も同じスーツを着ています。
成人式の時のスーツは、今なお私の手元にあり、もしかしたら、いつの日か出番が来るのかもしれません。もちろん、私が着用するのでは無く、娘達が着用するのです。その当時は、想像も出来なかった、幸せのリサイクルです。